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Ⅰ.伊豆と生きる―

〈THE ROYAL EXPRESS〉の誕生

伊豆は鉄道とともに発展を続け、鉄道もまた「伊豆のために」という想いとともに進化を重ねてきました。リゾート21 に代表される“乗って楽しい旅”という先駆的な観光列車の系譜を受け継ぎ、伊豆という地域とのつながりの結晶として誕生したのが〈THE ROYAL EXPRESS〉です。


本章では、伊豆と鉄道が育んできた深い関係をひもときながら、その歴史の先に“21世紀の観光列車”としてひとつの完成形を示した〈THE ROYAL EXPRESS〉の魅力を紹介します。

ⅰ.伊豆と鉄道の歩み

伊豆急行線の開業
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 1961年(昭和36年)12月。

遠くに伊豆諸島を望む静岡県・伊豆東海岸沿いを、地元住民の歓迎を受けながら、伊豆急行線の一番列車が伊東駅から伊豆急下田駅へと駆け抜けました。長らく“陸の孤島”と呼ばれていた伊豆が、東京と一本の線路で結ばれた瞬間です。

画像:伊豆急行(株)提供

 風光明媚な自然や歴史、そして海に恵まれた伊豆は、必ず世界に誇れる観光地になる」そう夢を描いたのが、東京急行電鉄株式会社(現・東急(株))の五島慶太 でした。鉄道を下田まで伸ばしたいという伊豆半島の人々の悲願を叶えるのだという強い想いから生まれた 伊豆急行線 は、単なる交通機関にとどまらず、伊豆という地域の未来をも担う存在となっていきました。

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伊豆へ向かう列車たち
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 伊豆急行線は開業当時から国鉄(現:JR東日本)伊東線との直通運転が行われていました。優等列車は、伊東線を経由し東海道本線との直通運転が行われ、準急「伊豆」「おくいず」が運転されました。のちに「伊豆」「おくいず」は急行へ格上げされ、153系で運転されるようになり、多客期には、修学旅行電車155系や167系も急行列車運用の応援に駆け付けました。

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1981年(昭和56年)には特急「あまぎ」と急行「伊豆」を、特急「踊り子」に統一、主力として新形の185系電車が活躍を始め、東京から伊豆へ向かう観光客を運びました。

ⅱ.伊豆の観光列車の繁栄-「リゾート21」の登場

観光列車の先駆け的存在「リゾート21」
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 1985年(昭和60年)、“21世紀の「乗って楽しい列車」”をコンセプトに、伊豆急行2100系 リゾート21 が登場しました。普通列車ながら先頭車に設けられた展望席や、伊豆の海を存分に楽しめるよう海側に向けて配置された座席など、その大胆な発想は、日本の観光列車の先駆けとして大きな注目を集めました。

 

この列車の登場により、伊豆へ向かう鉄道の旅は、単なる「移動」から、「列車に乗ることそのものを楽しむ旅」へと大きく広がっていったのです。

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「リゾート21」も編成を増やし、1993年(平成5年)には5次車のR-5編成が落成。「アルファ・リゾート21」と名付けられ、伊豆急行の顔として活躍しました。

画像:伊豆急行(株)提供

リゾート21には「ロイヤルボックス」と呼ばれる、JRのグリーン車に相当する車両が連結されていました。天井にイルミネーションを設け、トンネルが連続する伊豆急行線内では星空演出がされるという、一風変わった車両です。

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​※画像はイメージ

 新婚旅行ブームや団体旅行、海水浴などを背景に、鉄道とともに観光地として発展をつづけた伊豆。しかし、自然災害や1990年代のバブル崩壊といった社会背景、団体旅行から個人旅行への旅行形態の変化、レジャーや観光地の多様化といった様々な時代の流れを受け、観光需要は徐々に減少。成熟した観光地に、これまでにない魅力や価値の創出が求められるようになっていきます。

ⅲ.〈THE ROYAL EXPRESS〉の誕生

時代の変化、〈THE ROYAL EXPRESS〉の誕生
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画像:東急(株)提供

 2014年2014年(平成26年)頃から、伊豆地域のさらなる活性化を目指し、「伊豆急行線が開業したときのように、再び鉄道の力で伊豆を元気にできないか」と、新たな観光列車の検討がはじまりました。お客様に素敵な舞台と旅の物語を創出することは、その地域が豊かになり、そこで暮らす人々を元気にすることにも繋がるのだというという想いのもと、2017年(平成29年)横浜〜伊豆急下田間に新たな観光列車が誕生します。


名前は、〈THE ROYAL EXPRESS〉です。

​外観デザイン
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 車両は、伊豆急行2100系5次車「アルファ・リゾート21」としてデビューした編成を今の時代に合わせて生まれ変わらせるという構想のもと、8両編成はそのままに、内外装を大きく改めて誕生しました。デザイン・設計を手がけたのは、株式会社ドーンデザイン研究所の水戸岡鋭治氏。JR九州のD&S列車や、しなの鉄道の「ろくもん」など、全国で数多くの観光列車を手がけてきた同氏のデザインからは、地域や鉄道に関わる“人の力”“人の情熱や想い”が伝わってきます。そこに心を動かされた東急の担当者自らが依頼に赴き、〈THE ROYAL EXPRESS〉は形づくられていきました。

外観は、伊豆の青い海を思わせる深く気品あるロイヤルブルーを基調に、車体を流れるように走る金色のラインを配したデザインが特徴です。鮮やかでありながら落ち着きのあるブルーと、華やかさを添えるゴールドの組み合わせは、伊豆の風景のなかでもひときわ美しく映え、列車が駅に姿を現した瞬間から特別な旅の始まりを予感させます。

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列車を象徴するエンブレム
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また、車両の各所にあしらわれたエンブレムも、〈THE ROYAL EXPRESS〉を象徴する意匠のひとつです。

列車名にある“ROYAL”の「R」をかたどりながら、水資源に恵まれた伊豆にちなみ、水滴を思わせる装飾を重ねたデザインとなっています。

「美しさ、煌めく旅。」の舞台
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画像:東急(株)提供

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画像:東急(株)提供

〈THE ROYAL EXPRESS〉は、旅行の企画やサービスを東急株式会社、列車の運行をJR東日本と伊豆急行が担うことで運営され、それぞれの役割を活かしながら、特別な旅を創り上げています。
車内は、車両ごとに異なるテーマを持つ内装が施され、天然木をはじめとする素材を用いながら、日本各地の職人たちによるオーダーメイドで仕立てられています。先端技術から生まれる素材や工法に、伝統的な素材や職人による技を組み合わせて創り上げられた空間からは、“人の情熱や想い”を感じることができます。

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さらに、車内のいたるところに飾られた装飾品にも、伊豆の魅力を感じられる工夫が込められています。なかには、かつて東京から伊豆へ多くの観光客を運んだ往年の特急列車をモチーフにしたものもあり、鉄道とともに歩んできた歴史を感じさせる演出が見られ、列車全体を“伊豆を体感する空間”として仕立てられています。

ⅳ.地域と共に創る旅物語

 観光列車として「乗って楽しむ」だけで完結するのではなく、鉄道を軸に地域や関連施設、地域交通とも密接に連携しながら、伊豆半島全体の活性化へとつなげていることも、この列車でもたらされた大きな進化です。

 

旅の始まりを彩る横浜駅の専用ラウンジをはじめ、寝姿山へと向かうロープウェイのゴンドラ、山頂に設けられた「THE ROYAL HOUSE SHIMODA」、さらには伊豆箱根バス(株)と連携し、鉄道の走っていない西伊豆などを走る専用バス「THE ROYAL BUS」。列車を降りたその先まで、旅の物語は一貫した世界のなかで続いていきます。

 

伊豆の多彩な魅力に触れ、その土地の価値をあらためて発見していく旅のかたちは、〈THE ROYAL EXPRESS〉ならではの大きな魅力となっています。

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画像:東急(株)提供

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画像:東急(株)提供

下田ロープウェイ(THE ROYAL HOUSE SHIMODA)空撮.JPG

画像:東急(株)提供

 ※クリックで詳細をご覧いただけます

“21世紀の観光列車”の完成形

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 伊豆の鉄道が長年育んできた「伊豆を元気にする」「乗ることを楽しむ」という文化。
〈THE ROYAL EXPRESS〉はその系譜をしっかりと受け継ぎながら、「人と人、人と街、人と歴史」それぞれのつながり、そして拡がりを支えている、21世紀の観光列車です。

画像:伊豆急行(株)提供

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