kato-Special Features
長距離鈍行 夜汽車の旅
からまつ
写真:奥野 和弘
"夜行鈍行"「からまつ」は、釧路~小樽間を結んだ伝説の普通列車です。石勝線が開通する以前の滝川経由のルートで北海道の都市を結びました。
下り 小樽 21:16発 釧路 翌日9:17着
上り 釧路 19:00発 小樽 翌日6:42着
*昭和55年(1980)運行時の時刻
昭和55年(1980)10月以前の北海道内の鉄道輸送は、青函連絡船を介した本州との連絡がメインで、高速道路も未発達であり、道内の移動手段は鉄道が中心に構成されていました。有効な時間活用には夜行列車の利用が必然で、道央の札幌から道東の帯広や釧路に向かう場合は、滝川を経由する大回りのルートしか存在しませんでした。
道央と同等を結ぶことから、所要時間が長いながらも使い勝手の良い列車として「からまつ」は多くの旅行者や出張に愛用されていました。「からまつ」に連結された荷物車の運用は下りと上りでそれぞれ「北東航6」と「大航2」の運用で、隅田川駅から青森~青函連絡船~函館~小樽~釧路、根室~釧路~小樽~函館~青函連絡船~青森~大阪と単純に普通列車としての小樽~釧路間の運行にとどまらず、小荷物や郵便輸送列車の役割で、東京・大阪と道東の物資輸送の側面も併せ持っていました。
「からまつ」の車両たち
「からまつ」を編成する客車
「からまつ」は荷物車2両・郵便荷物車1両、B寝台車2両、座席車4両からなる9両編成(多客時)。
写真:奥野 和弘
スユニ61
スユニ61 508は改造年次により、従来品と異なる一部小窓の無い形態を新規作成
マニ36
マニ36形(オハ35戦後形改造車)を新規作成
オハフ33
オハフ33は屋根上のベンチレーターを別パーツで表現。台車は歯車式車軸発電機付のTR23を新規製作
セット構成・編成例
「からまつ」の先頭に立つ機関車
小樽~釧路間のうち、函館本線の小樽~滝川は交流電化が進んでおり、主に交流電機機関車のED76 500が務めました。非電化区間の滝川~釧路はディーゼル機関車のDD51が牽引を担いました。
写真:奥野 和弘
DD51 500 前期 耐寒形
DD51は昭和37年(1962)から製造され、四国を除く全国各地で見られた国鉄を代表するディーゼル機関車です。このうち500番台は重連総括制御が可能な構造で製造されました。第7~11次車(501~592号機)は単弁の総括ブレーキ制御を行える機能を備えておらず「半重連形」として区分され、中でも昭和40~41年(1965~66)に製造された7~9次車は、2枚開きの前面点検扉や傾斜付ストレート形状のステップ、ブレーキ装置のない中間台車、容量4,500リットルの燃料タンクが特徴です。北海道の他にも東北・新潟地区や山陰地区でも活躍しました。
ED76 500
昭和43年(1968)に北海道で初の国鉄電化区間となった函館本線・小樽-滝川間を皮切りに、道央の電化区間で活躍したのが交流電気機関車のED76 500番台です。急行「大雪」の札幌(小樽)-旭川間や急行「ニセコ」の小樽-札幌間のほか、普通列車、貨物列車の牽引でも活躍しました。
製品情報
夜行鈍行「からまつ」 9両セット
品番 10-1880 ¥25,630
マニ50
品番 5140 ¥2,750
DD51 500 前期 耐寒形
品番 7008-P ¥8,800
2025年 3月発売予定
"夜行鈍行"の面影を、ぜひお手元に。
参考文献:
ジェイ・トレイン 2013 vol.49 特集・夜汽車の時代I 1980's
2024 関水金属・KATO